Interview: Takumi Yoshinaga, Emiko Sunaga, Yojiro Ogawa (2004-10-13) by Dengeki Online: Part 2

From Sega Retro

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This is an unaltered copy of an interview of Takumi Yoshinaga, Emiko Sunaga, Yojiro Ogawa, for use as a primary source on Sega Retro. Please do not edit the contents below.
Language: Japanese
Original source: インタビュー『きみのためなら死ねる』後編 - 電撃オンライン

An interview with Sonic Team members Takumi Yoshinaga, Emiko Sunaga and Yojiro Ogawa, the respective director, designer and producer of Feel the Magic: XY/XX. At the start would be a link to an mp3 music file of the game's main theme.

Part 1 was released on September 21.


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「ン~ンン~ン、ンンンンン~♪」←クリック!

――こ、これは……やばい、いろいろやばい(笑)。
吉永:まあ、こういう曲もアリかと。
――たしかに、耳に残りますね。これがメインテーマですか?
小川:はい! これを推していきます!1回聞くと忘れられないんですよね。
――うれしいような、止めてほしいような……。
小川:開発チームでは、口ずさんでるヤツいますからね。
吉永:でも、これはRUBのこするほうのテーマなんで、LOVEのほうは、また別の曲を用意しますよ。
――それはまた全然違う感じのものですか?
吉永:はい、本当にLOVEっちい感じのものを。「エマニエル夫人」(※8)みたいな感じのものを、用意したいと思ってます。
――ところで、まさかこの「ン~、ン~」って吉永さんってオチはないですよね?
吉永:そ、それは……駆り出されてました……。ピアノの音程ごとにぜんぶの音階で「ン~」っていうのを全段階録らされました。
――やっぱり(笑)。
吉永:ちなみに、30番まであります。
――えぇぇぇ!

■もうちょい、ゲームの話につっこみます!

――スクリーンの上と下を、どう使い分けるのかっていうのはこの段階でお話しいただけるんですか?
小川:うーん、まだあまり語れないかなぁ。
――じゃあ、2画面ならではの苦労は?
吉永:2画面を使うと、視点移動がすごく大変なんです。遊んでいる人はひとつの画面しか見てないですから。だから、別の画面で何かを展開するときは視点を誘導してあげることが必要です。たとえば、何かを別の画面に向かって動かすであるとか、エフェクトで効果を出すとか。
――視線を移す時間も考えないといけない?
吉永:そうです。下から上にゲーム画面を移すのを、ワンタイム遅らせるようにします。ユーザーの目を動かせてから、切り替える。そういう情報の出し方が2画面は必要ですね。
――基本的には、下の画面を見て進めるというかたちですか?
吉永:そうですね。でも、下だけ見て遊べるゲームは、じつはないんですよ(笑)。せっかくの2画面ですから。
――今までのゲームの画面は、基本的には、横長ですよね。
吉永:それが、2画面を使うことで、よりダイナミックな構図になりました。
だから、うまく視点誘導しながら、上下に縦ワイドで楽しんもらいたいですね。
――今までにない迫力がありそうですね。
吉永:2画面を使えると、ホントに、その空間の中でゲームを楽しんでいる雰囲気がでますよ。
――上下の画面をつなげてひとつの大きな画面にする。そういう使い方は?
小川:はい。女の子の全身を出したりしてますよ。でも、タッチスクリーンをメインにしてるんで、ゲーム自体は下の画面で遊ばせなきゃいけない。で、たとえば上の画面に何か情報があったら、その次には下の画面にそれが反映されると。上を見てわかったら、下を見てゲームをやる、そんな感じですね。うまく連動してますよ。
須永:最初のころはもう、何が何やらみたいな(笑)
小川:本当に、手探り状態でしたよ。

■高めの年齢層がターゲットなの?

――ビジュアルやタイトルを見ると、かなり上の年齢層を狙ってますよね?
吉永:そうですね。小学校低学年に遊んでほしいというわけではないです。ただ、背伸びをして遊んでほしいっていう感じで(笑)。大人だけが知っている、ちょっと未知の世界みたいな。昔の昭和の子どもだったら、夜11時以降の世界ですね。まあ品が無いというわけではないんですけど(笑)。
――こっそりと、幅広い層に遊んでほしい?
吉永:そうですね、普通に考えると、大学生より上ですかね。多分、DSを発売と同時に最初に買う人たち。ただ、普通に小学生や中学生が遊んでも楽しめますよ。女の人と仲良くなって、ちょっとモジモジしちゃう、みたいな(笑)。
――モジモジ(笑)
吉永:お父さんはこのゲームを買う。お子さんは別の任天堂のゲームを買う。で、お父さんは夜にやってるんだけど、じつは子どもも、こっそりやってる(笑)。
――夜のソフトだ。
吉永:そういうイメージを勝手に想像してるんですけど(笑)。

■DSの機能満載の「バカウケ」ゲームとは?

――DSを実際に遊んでみると、うまく言えないけど「楽しいな」っていうのは多々あるんですよ。でもそこから、う~ん……、つまり「さわったら楽しい」っていうところから、ゲームとしてどういうふうに完成するのかが、まだわからないんですよね。
小川:そうですね。でも、『きみしね』でDSのひとつの解答が見えますよ。
吉永:たしかに、最初はさわったら楽しいってところがまずあって、それを使ったワンアイデアはいっぱい出るんですよ。でも、それを単なる「現象」からどうボリュームのある「ゲーム」として成立させるのかっていうところで、もう1歩、なかなか進めないというか……。
――そこがムズかしい、と?
吉永:ムズかしいです。楽しくないんですよ、ゲームの形にしてみると(笑)。作ってみては、「なんかつまんないね」って。
――そこで開発者の腕が問われる?
小川:そうですね。このインタビューに関しても、すっごく細かく「こんなことやれるんだよ~」って、言いたいんですけど(笑)
吉永:もう、超言いたいんですけど(笑)
小川:どれくらいスゴイかというとですね。セガのエライ人たちにも見せたんですけど、もう、超バカウケで。
吉永:バカウケって(笑)
小川:バカウケっていうとおかしいかな?でも、「DSってたしかにすごそうだけどよくわからなかった。でもやってわかった、なるほどこうなんだ」って。海外の人たちにもやってもらったんですけど、かれらも、もう大喜び。
吉永:そこまで喜ばなくてもいいだろっていうくらい(笑)
――海外の人は大袈裟に喜びそうですね。
吉永:目標としては、もうDSはこれ1本でお腹いっぱいぐらいのものを目指してます。
小川:びっくりしますよ、いろいろやっているので「なに~っ!」って。
――ますます電車でやれない?
須永:ちょっと不審者な感じが……。
小川:いえいえ、電車プレイ推奨ですから(笑)。

■サソリは個人的な趣味なのか?

――あと、個人的には、この女の子にサソリが降ってくる写真が……。普通、サソリは降ってこないだろって(笑)。
一同:わははは。
――バカっぽいなー、いいなー。でもなぜサソリなんだと?
吉永:それは、その写真に写っている車がサソリ屋さんだからです。
一同:(爆笑)
――サソリに、特別な意味があるんですか?
吉永:昔のSF映画で、「美女となんとか」みたいなのがありますよね。半魚人なんかもそうですけど、そういう女の人をモチーフにしたもので、美女と絡んでいてエロチックさを引き出せるようなものをと思ってて。
小川:その辺がたぶん吉永ワールドなんですけどね。ボクの頭ではサソリは降ってこないんで(笑)
――納得できるような、納得しないほうがいいような、サソリかぁ……。
吉永:あと、サソリが単純に好きっていうのが1番大きいですね、サソリとかクモとか。虫は嫌いなんですけれども(笑)
――ちょっとB級映画タッチノリですよね。
吉永:そうですね。「ジャイアントスパイダー」(※9)とかああいう映画大好きなんで、そういう好みをちょっと見え隠れさせてます。

■1つの話を味わいながら、さまざまなゲームを楽しむ

――ゲーム性の部分って、どんな感じなんでしょうかね?
小川:そうですね。まずお話があって、そのシチュエーションを遊ばせるようなイメージです。
――ボリューム的には?
小川:一通り遊ぶのにどれぐらいかかるかは……。でも、最初から最後までクリアするのに……かなり長いですよ。すぐには終わらないです。ひとつのお話をじっくり遊んでもらう感じですね。まあ携帯ゲーム機なんで、好きなときにお話を止めて、また再開して、楽しんでいただければ。
――ゲームにはやり込み要素とかも。
小川:あ、はいありますよ。モードもいくつかありますしね。
――写真にはマニアックモードっていうのがありますね(笑)。メモリーズモードはコレクション要素が有りそうですが。
小川:そのへんは想像してください(笑)

■忙しいけど元気な開発チーム!

――最後に、開発の雰囲気はどうですか?
吉永:えっと、すごい元気です。元気ですっていうと語弊があるんですけど。ほかの開発は元気がないのかって(笑)。なんというか、忙しいけどすごく元気というか。今回新しいハードってことで、紋切り型で仕事しないで、1個のアイデアに対して、みんなで考えるんですね。今までだと、出しにくかったような発想とか切り口がどんどん出てくるんです。そこに、スタッフみんなの芸風みたいなものが滲み出したりしてくるんです。楽しいですよ。疲れてるはずなんですけど、みんなすごく元気です。
――じゃあ、まだまだアイデアがどんどん湧いてくるんですね。
吉永:入れたいことはたくさんあるんですが(笑)。あとは時間との戦いですね。
小川:まあ、新しいゲーム性を目指して戦っているような楽しさはありますよね。吉永なんかは本当に苦労してますけど。
吉永:もう4キロやせました(笑)。最初のころは、作ってみても本当につまんなくて。2か月くらいご飯食べられなくて、カルピスで生活してましたから。
――今日お話を聞いて、遊べる日がますます楽しみになりました。がんばってください。本日はありがとうございました。